Dコンサート報告

先の1月21日(土)、「Dコンサート」と題して、博士取得者による新しいタイプの音楽イベントが開催されました。全体のテーマ「境界を越えて音楽する身体」のもとに、第1部ワークショップ、第2部コラボレーションをおこないました。

あいにくの雨天でしたが、会場の第6ホールには111名の来場者がありました。(入場は無料、インターネットで事前申し込みを頂いた方が97名、他に14名の当日申込みがありました。なお、インターネットでのライブ中継もおこないました。)

 第1部 ワークショップ

1 「F. プーランクのピアノ作品演奏法」 鈴村真貴子
2 「詩の朗読が生み出す歌唱表現」 佐藤容子
3 「音楽とからだの調和を見つける」福富祥子
4 「日本舞踊独自の表現を探求する」 花柳美輝風(金子祐木)

 ◉発表者4人が、スライドや実演を交えながら、各自の博士論文の成果をプレゼンテーションしました。会場からの質問にもお答えしました。

第2部 コラボレーション

5 瀧廉太郎『荒城の月』 声楽(佐藤)、ピアノ(鈴村)、日本舞踊(金子)
6 シューマン『幻想小曲集』 チェロ(福富)、ピアノ(福富彩子)
7 プーランク『3つの常動曲』 ピアノ(鈴村)
8 プーランク『即興曲第13番』『即興曲第15番』 ピアノ(鈴村)、日本舞踊(金子)
9 中田章『早春賦』 声楽(佐藤)、ピアノ(鈴村)、チェロ(福富)、日本舞踊(金子)

◉リサーチセンター中村美亜の司会による出演者のトークに続いて、最後に全員による『早春賦』の演奏がおこなわれ、和やかな雰囲気のうちに終了しました。

◎アンケート結果

 午後2時30分から約3時間という長さが短く感じられるくらい、熱心に聴いていただけたようです。当日配布したアンケートには46名から回答をいただきました。(41.4%と高い回収率でした。)主なご意見を紹介します。

*第1部の研究成果発表では、どういう点が興味深かったですか。

「音楽、芸能に学術的に取り組むというのは想像をするだけで大変だと思うが、皆さん演奏家であるだけに、色々な悩みや疑問点を出発点にして取り組む姿は素晴らしい。感心した」

「普段の演奏会では機会のない、様々な研究発表を聴くことができ、大変興味深かったです。演奏時の体の使い方、姿勢など、大事なことだろうことは判っているつもりでしたが、具体的にお話いただけたのは大変良かったと思います」

「ご自身のジャンルを掘り下げて研究され、まったく勉強もしたことがない私達にもわかる様な発表でした」

「どの発表も、それぞれのご興味が深い所にあり、熱心に研究されていること、素晴らしいと感じました」

「はじめて聞く話でも、その表現活動の面白さ、深さが伝わって面白かったです」

「演奏家の方の、作品に対する想いをどのようにまとめあげてゆくのかのプロセスを知る手がかりになる、貴重なお話でした」

「音楽の全くの素人である私でも、すごく楽しめた発表でした。例えば、文学や経済学、医学の博士課程修了の人が専門の話をレクチャーしてもこれほど興味をもたせる話はできないと思うので、芸大の高い教育レベルにおどろきました」

「それぞれ研究テーマの見つけ方が具体的でおもしろかった。内容もわかりやすかった」

「既成の学問ではなく、自らで学問を作り出す姿勢が素敵です」

 *アーティストによる研究発表に引き続き、第2部で実演を聴いて/観ていただきましたが、いかがでしたか。

 「ひとつひとつ試みとしても面白いし、作品としてちゃんと成立していたように感じた。研究と実演は矛盾しないと感じた」

「特に日本舞踊を含んだコラボなんて初めて見聴きした。さすが芸大ならではの芸術で、ビデオ・録音をとって配れたら素晴らしいのに。実技と理論の融合に先頭を切って頑張って欲しい」

「プロの方々の表情、表現、気迫を身近で拝見でき、とてもステキの時間を過ごせました。音楽のために論文を書くという考え方がすばらしいと思った」

「4人のアーティストの方の発表が、それぞれ演奏を見たり聴いたりするときのポイントになりました。普段より目の前のパフォーマンスに深くかかわれたと思いました」

「プレゼンテーションと演奏を続けて聴けたので、焦点がわかりやすく、新しい発見や感動がありました」

「プーランクと日本舞踊など、違うジャンルでも違和感なく合っていて面白かった」

「クラシック音楽と日本舞踊の組み合わせがとても面白かった。曲調によって踊りの表情も違い、ストーリー性が見えるようだった」

「こんな愉快な楽しいコラボがあるなんて!若き一流の先生方が、今まで誰も創ったことのないことに挑戦する、その瑞々しい魂とクリエイティブさに感動しました」

 21世紀の芸術活動を担う若いアーティストたちに何を期待しますか。どういう役割を社会で演じてほしいですか。

 「社会が応援しなければと思うが、ぜひ国際貢献活動に活躍の場を拡げてください」

「古い考えにとらわれない柔軟な世界を築いて行ってほしいと思います」

「枠にはまらず、自分の考えや演奏やパフォーマンスを発信しつづけてほしいと思います」

「沈みそうな日本を、浮き上がらせてくれるような音楽で一杯にして下さい」

「アーティストと接する「場」が拡がっていくと良いと思う」

「日本文化をどんどん外国に発信してほしいです」

「動物的な感性の部分と、理性・学問の部分の「良き通訳」になって下さい」

 *その他に、同じような試みをぜひ続けてほしいという声が多数ありました。

 「すごく面白かった。感謝します。つづけて下さい」

「今日のコンサートは、例えば朝日カルチャーセンターなどでのとても受講料の高いものに劣らないと思う。ぜひこのような形で続けていっていただきたいです!」

「初めての試みとのことですが、継続されることを希望します」

「定期公演の実現を楽しみにしています」

「今回のような講演会がまた開催されれば、大変よいと思います」

「Dコンサート続けましょう!」

コメントは受け付けていません。